ボードレール象徴派詩人ボードレ-ルは「悪の華」と前後して散文詩集を出版しようとしたのですが、出版社の同意が得られず、詩集の題名は「パリの憂鬱」と決めたにも拘わらず生前には成書とはなりませんでした。最初に上梓されて詩は: 異邦人 謎めいた君、君は誰を一番愛するのだ?言って見たまえ、父?母?姉妹・兄弟? -父母も、姉妹・兄弟もいないのだ。 友人か? -君は僕が今日まで意味を知らなかった字句を使うね! 祖国か? -どの緯度にあるかも気にしていないのに・・ 美女? -永久にそうであるなら、愛しもしよう! 黄金? -君が神を嫌うように、嫌いだよ! 変わった異邦人よ、では一体何が好きなのだ? -あそこに過ぎ去って行く雲、あんな素晴らしい雲、これが好きなのさ! 私の母も雲は芸術だと言って好きでした。亡くなってからもう9年になりますが秋空に浮かぶ素敵な雲を見ますと思い出されます。 原文は下記の通りです。 L’etranger Qui aimes-tu le mieux, homme enigmatique, dis? ton pere, ta mere, ta soeur, ou ton frere? - Je n’ai ni pere, ni mere, ni soeur, ni frere. Tes amis? - Vous vous servez la d’une parole dont le sens m’est reste jusqu’a ce jour inconnu. Ta patrie? - J7ignore sous quelle latitude elle est situee. La beaute? - Je l’aimerais volontiers, deese et immortelle. L’or? - Je le hais coome vous haissez Dieu. Eh! qu’aimes-tu donc, extraordinaire etranger? - J’aime les nuages.. les nuages qui passent.. la-bas.. la-bas.. les merveilleux nuages! 聞く方がtutoyezしてびっきら棒なのですが、答える方はvousvoyezして丁寧に答えているのです。ボードレールは繊細な精神の持ち主なのです。 |